スペイン暮らし

スペイン島暮らし中。スペイン人のマリド(夫)と2人暮らし。

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日本人にとって大切な日。

10年前の今日。

私は会社にいた。

 

東北からかなり離れた関西にもその地震は届いていた。

 

デスクワークで座っていた人たちみんなが、かなり大きな横揺れを感じたと動揺していた。長い横揺れに気分を悪くしている人もいた。

 

急な来客対応で社内を走っていた私は、その時に起きた地震に気づかなかった。

今も思い出す。

あの時、日本中を襲った地震

なんであの時、私は地震に気づかなかったのか。

 

それから、普段はないテレビが会社の倉庫から出されてきて全員でニュースを見た。

 

今も忘れない。

どんどん波が押し寄せてきて、波と流れてきた船がどんどん街を破壊していく姿。

まだまだ被害の全貌が全くわからない状況の中、

これはただ事ではない、そう思った。

 

たくさんの人が、大事な人を失った。

大事なものを失った。

そして、故郷を追われた。

あの日から永遠に消えない傷を抱えることになった。

答えの無い問いに苦しみ続け、返事が無い声に問い続けている。

 

私が今でも忘れられない話し。

 

津波に追われて逃げる中。

最後の最後に繋いでいた手を離してしまって、目の前で自分の奥様を亡くされた旦那様。自分の手を見ながら最愛の人を思い出し、救えなかった自分の手を責め続けている人がいた。

 

その話しを聞いた人、記者だったのか誰だったのかは覚えていないけど、その人が、その旦那様にかけた一言が忘れられない。

 

あなたが救えなかったと思っている、その奥様の手は、

あなたに生きて欲しいと誰よりも願われた手ですね。

 

 

10年たった今日も、生き残った自分を責めて生きられている方がたくさんいて。

私なんかが、言葉を簡単に発することすらためらうけど。

 

それでも想う。

生きていてくださって、ありがとうございます。

 

そして、こう願いたい。

先立たれた人は、きっと残された人に「ただ生きて欲しい」と願っていると。